イタリア ベネチア観光で注意すべき6つのこと

gray concrete structure ヨーロッパ旅行記
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アドリア海の真珠と呼ばれ、水上の世界遺産として唯一無二の存在感を誇るベネチア。
数々の映画の舞台ともなり、世界中の観光客を魅了し続けています。

たびこ
たびこ

ベネチアに興味があるんだけど、旅行する時なにか気を付けることってあるのかな?

スリや盗難以外に特に注意することがあったら知りたい!

ベネチア旅行の際にはベネチア特有の注意するべき点がいくつかあります

干潟に造られた人工島ならではの問題や、長年のオーバーツーリズム(観光客が殺到することによる弊害)から街を守るための対策などです。

これらを知らないと、旅行の際に罰金を払う羽目になったり、旅行そのものが計画通りにいかなくなったりする可能性もあります。

この記事ではベネチアならではの問題と、私たち観光客はどのように行動すればいいのかについて解説します。

ベネチア禁止条例

1年を通して多くの観光客が殺到するベネチアでは、観光客によって景観や環境が損なわれるオーバーツーリズムに長年悩まされています。

政府はその対策として罰金付きで以下の禁止条例を設けています

  • 所定の場所以外に座ること
  • ごみのポイ捨て
  • 落書き
  • 鳩にエサやり
  • 水路などへの飛び込みや遊泳
  • 住民以外の自転車の運行

これらの行為には最高 €500(6万円)の罰金が科されます。

ポイ捨てや落書き、エサやりなどは私たちにもなじみがありますが、「所定の場所以外に座る」というのは不思議に思われるかも知れません。

この条例はイタリアの他の都市でも施行されていて、例えばローマの有名観光地スペイン広場の階段でも採用されています。
理由は観光客による食べこぼしやポイ捨てによる景観の汚染。

残念なことですね。


石段に座ってアイスクリームを食べながら一休み、というようなことが罰金対象ですのでご注意ください。

コーヒーで罰金を取られた実例

2019年にはベネチアの有名な観光スポットであるリアルト橋の下でコーヒーを入れようとしたドイツ人カップルが、警察に通報され二人で罰金11万円の支払いを命じられました。

悪意を持った行為でなくても違反者には罰金、罰則が科されます
知らなかったという言い訳は通用しません。

多発するぼったくりの被害

ベネチア旅行するのであれば必ず知っておきたいのがぼったくり店の存在です

ベネチアのぼったくりに関しては世界でもかなり悪名が高く、特に断ることが苦手な日本人はカモにされやすいです。

名指しでぼったくりを公表されたのがオステリア・ダ・ルカというレストラン。

2018年に日本人学生4人が、ステーキや魚のフライ、グラスワインなどを注文して約14万9600円を請求され、警察に苦情を申し入れる騒ぎがあり注目を集めました。

この時話題になったのは、ぼったくりをする悪質なレストランはもちろん悪いが、ぼったくりと知りながらその場は支払いを済ませ、後から警察に相談した純情すぎる日本人学生たちについてでした。


ベネチアでカフェやレストランを利用する際は必ずGoogleマップやトリップアドバイザーの口コミを参照しましょう。

そして、法外な金額を請求されたら断る勇気も必要です

高潮による浸水被害

もともと海抜が低い上、年々地盤沈下して水没の危機にあると言われてきたベネチア。

10年ほど前に私が訪れた時は、建物の一階部分が水に浸かって使えなくなり、放棄されている住宅をたくさん見かけました。

さらに気候変動で高潮(秋から冬にかけて(10月から3月)の強風などによる海水面の上昇)の被害が急増。
テレビでサンマルコ広場の水害の様子を見たことのある方も多いと思います。

逆に2021年には海水面が50㎝近く下がる現象が起き、水路の底が見える状態にまでなったそうです。
環境問題がここまで顕著に見られるのは世界でも有数かと思われます。

ベネチアを訪れるなら高潮の時期を避け、5月から9月の間に旅行されることをおすすめします

水路や干潟の水質汚染

white plastic bag on water

水路や干潟の水質汚染が顕著な近年のベネチア。
空き缶やペットボトルのポイ捨てによる環境汚染は、まさにマナーの悪い観光客によって引き起こされています。

コロナ禍で観光客が消えたこの2年間、収入が減って肩を落とす地元民がいる反面、水路の水質が著しく向上しているとSNSで話題になったそうです。


ベネチアではアフターコロナでまた同じことが起こらないよう、街をあげて改善に取り組んでいます。
その一つが罰金を伴う禁止条例。
効果が表れるといいですね。

入域税の導入始まる

地盤沈下や水質汚染、景観汚染の多くがオーバーツーリズムによるものとして、市では現在、観光客に入域税を課す計画を進めています。

料金はハイシーズンで10ユーロ(約1,300円)、オフシーズンは3ユーロ(約400円)になる見込みだそうです。
景観を守るために使われるのであれば、個人的には全く問題なく支払える額ではありますが、これがオーバーツーリズムの改善策になるのかは疑問です。

他に入域税を課して成功している国が世界一幸せな国と言われるブータンです。

ブータンへ旅行する際は公定料金と呼ばれる、食費、宿泊、ガイド、その他のアクティビティ費用をすべて含めた料金一人1日2万円から3万円(季節や旅行人数によって変わります)を支払う必要があります。

これによりブータンでは旅行者の数を少なく抑え、観光による収入美しい自然住民の安全な生活を守っています。

ベネチア旅行の楽しみ方については以下の記事に書いています。

ベネチアへは日帰り旅行がおすすめ!観光楽しみ方

日本とは違う、イタリアでの電車の乗り方については以下の記事に書いています。

間違えると罰金!イタリアの電車乗り方を解説

まとめ

オーバーツーリズムと水害という大きな二つの問題を抱えているベネチア。
そのベネチアを観光する上で注意しなければならない事柄6点を記事にまとめました。

  • 罰金を伴う禁止条例
  • 高額な罰金を払わされた実例
  • ぼったくりレストランの存在
  • 高潮による浸水被害
  • 深刻な水質汚染
  • 2022年から導入される入域税

オーバーツーリズム(観光客の殺到による弊害)に関しては、日本の京都と状況がとても似ているように思います。

どこへ行っても行列ポイ捨て個人の私有地へ勝手に立ち入る公道へ座り込むなどによって、地元住民は疲弊し観光客に対していい感情を持っていない人も多いということです。

とは言えコロナ禍で観光客がぱったりと来なくなったホテルや土産物店では、収入が途絶えて悲鳴を上げる関係者の声も連日報道されました。

景観や地元の人の暮らしも守りながら、ルールを守って観光するよう私たち一人一人が気を付けていきたいですよね

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